宙守工房記録部

訪問した科学館、理系ホイホイ施設の記録です。

国立天文台 三鷹 @東京

言わずも知れた、東京都三鷹にある国立天文台
自然豊かな広いキャンパス内に、昔からの建物を保存したまま天文関係の資料が多く並ぶ。

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大正10年、1921年に建設された三鷹国立天文台の中で現存最古の建物。現役である。
太陽を観察し、黒点のスケッチや太陽写真儀による写真撮影が行われる。
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大学二年生の天文台でアルバイトをしているカッコいいお兄さんがここで説明をしてくださった。
エンジンを使わない重錘式時計駆動の望遠鏡であり、地球の自転の計算から天体を追従している。
天井のドーム状の窓は手動で歯車を回して開閉、回転させる。吹き抜けのため「冬は寒い」とお兄さんは語っていた。

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左:望遠鏡と窓 中央:重錘式時計駆動 右:窓を開ける歯車

  • 太陽塔望遠鏡

太陽光をシーロスタット、凸面鏡、凹面鏡、平面鏡を介しスリットに侵入させ分光する吹き抜けの塔。
ドイツ、ポツダムにあるアインシュタイン塔とほぼ同一形式の設備のため、アインシュタイン塔という愛称で知られる。

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アインシュタイン一般相対性理論から予言されていたアインシュタイン効果を検証するために建設された塔だが、国立天文台では残念ながら観測することができなかった。しかし、WW2後に光学系を改良し、黒点の磁場、太陽フレア、太陽の自転、太陽スペクトルの研究に使われた。

65センチ屈折望遠鏡のある高さ19.5メートル、ドーム直径15メートルの建物。
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どの姿勢でも望遠鏡が覗けるよう、観測床が上下するようになっている。(現在は固定されている)
内部にはガリレオの望遠鏡のレプリカ、手回し計算機、クロノメーターといった天体観測用の器具と日本の国立天文台や世界の電波望遠鏡についてのパネル説明がある。
階下の展示室には宙の写真、望遠鏡の写真や銀河や星団を写した乾板の展示!乾板は背後から光を当てられます!星座オタクご存じ「天文分野之図」もあります。

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  • 展示室

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国立天文台が行っているプロジェクトの紹介、観測、研究成果の展示がある。
野辺山宇宙電波観測所の45メートル電波望遠鏡アルマ望遠鏡すばる望遠鏡の可動式模型の展示もある。

  • 子午儀資料館

入口から見学。中にはレプソルド子午儀が収められている。

  • ゴーチェ子午環室

入口から見学。皆さん大好きキムワイプの姿も。

  • 天文機器資料館

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少し入るのに躊躇うが入れる。中には世界各国の測定機器がある。勉強不足なので詳しくは分からない。
外にはMIRAと子午線標の姿もある。

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赤いのは1.2メートルパラボラアンテナ電波望遠鏡、白いのは6メートルのミリ波電波望遠鏡
口径10メートルの太陽電波望遠鏡跡地もある。

  • 休憩室

ヘルメットと星をモチーフにした作品の展示がある。チリのアルマ望遠鏡についての展示もあった。


★基本情報(2019/12)

入場料:無料(入り口で見学者表に名前を記入、予約不要)

設備:トイレ有、休憩所有、平日のみ食堂と売店営業

アクセス: https://www.nao.ac.jp/access/mitaka/access.html

HP: https://www.nao.ac.jp/